森林を大きく分けると、原生林・天然林・人工林があります。
日本の国土の約6割は森林に覆われていて、そのうちの4割が人工林、つまり人の手で植え育てられた森です。
飛行機から日本の山々を見下ろすと、どこまでも続く緑の景色に圧倒されます。それが人工林であると考えると、人間の営みの大きさに改めて驚かされます。

人工林があるということは、
かつてその場所に生えていた木々が伐採された歴史を持っているということでもあります。
広大な森林が切り開かれ、再び人の手で育て直されたのです。
一方で、人工林以外の多くの森は「天然林」と呼ばれます。
ただし、これも自然のままではありません。
伐採や利用を経て自然の力で再生された森であり、完全に人の手が加わっていない「原生林」は、むしろごくわずかしか存在していません。
その天然林の中でも、
特に人々の暮らしと密接に関わってきた森が「里山」です。
里山では主に広葉樹が育ち、さまざまな生き物が共に生きる豊かな生態系が保たれています。
この「里山」の考え方は、じつは海にも当てはまります。
「里海」と呼ばれる海は、
かつて人間の活動で汚染されながらも、人の手によって再び命が息づく場所へと再生されたものです。
汚してしまった自然は、私たち自身の知恵と努力で回復させなければなりません。
人の手が加わっていても、それが森や海の本来の姿を失わせるわけではありません。
むしろ人が関わることで、
自然は再び豊かさを取り戻すのです。
しかし今、問題なのは「関わらなくなったこと」です。
里山は管理されなくなり、荒廃しつつあります。
人工林では、
生態系そのものが損なわれてしまう危機も深まっています。
ただ放っておくだけでは、自然は守られません。人が関わらないことが、最も深刻な破壊なのです。
森や海と共に生きること。
それは、私たちに課された責任であり、未来への希望でもあるのです。
おうちのはなしNo.322 Helth&Sanabilyより
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