「地震のエネルギーを熱に変換して吸収する」
といった説明を、制震装置の説明として耳にしたことがある人もいるかもしれません。
地震のエネルギーって、実際にどの程度の熱エネルギーなのでしょうか?

たとえば、阪神・淡路大震災では
最大加速度818gal(=8.18m/s²)が記録されました。
ここで、約20トンの木造住宅が揺れると、1秒間の揺れによる運動工ネルギーは次のように計算できます。

この揺れが10秒間続いた場合、総工ネルギーは次の通りです。

このエネルギー量は、
250リットルの浴槽の水温を約6.4℃上昇させる熱量に相当します。
もし制震装置がこのエネルギーをすべて熱に変えるのであれば、装置の温度が大幅に上昇するはずです。
でも、地震エネルギーはさまざまな形で分散します。
建物を変形させ、揺れによる音になり、たくさんの場所でエネルギーは逃げて、制震装置だけが大きな熱を持つことはありません。
では、制震装置の役割とは何でしょうか?
最大の役割は、
建物の揺れを抑え、応答加速度を低減することにあります。
耐震補強を施すと建物の剛性が増し、固有周期が短くなることで短周期の地震波と共振しやすくなります。
すると、揺れのピーク時に加速度が増幅し、室内の家具等が暴れ出すのです。
制震装置はこの共振を抑え、加速度の急激な上昇を防いでくれるのです。
また、制震装置は建物へのダメージを軽減します。
制震装置の効果を「地震エネルギーを熱に変換するもの」と単純に捉えるのは誤解を生む表現といえるでしょう。
制震装置の本質は、地震エネルギーを熱に変えることではなく、揺れを効果的に抑え、建物とその内部にいる人々を守ることにあります。
と、chatGPTは熱弁してくれました。
おうちのはなしNo.320 Helth&Sanabilyより
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