肌が合う家

これは人間だけでなく、多くの動物にも共通する感覚です。
その証拠に、目・耳・鼻・口などの感覚器は、多くの動物で発達し、脳と連携しています。

育てていると環境に反応して変化する姿が見られます。
生物は、周囲の環境に適応しながら生きているのです。
人間は進化の頂点に立つ存在のように思われがちですが、五感を比較すると決して最も優れているとはいえません。

人間よりもはるかに優れた視覚を持ちます。
コウモリやイルカは、人間には聞こえない超音波を感知できますし、嗅覚では多くの動物の能力が人間をはるかに凌駕しています。

それは、味覚と触覚かもしれません。人間は単なる好き嫌いを超えて、料理をすることで味を変化させ、食文化を発展させてきました。
このような食の楽しみ方は、他の動物には見られません。
また、触覚も人間の特長のひとつです。

機械では再現できない微妙な感覚が宿っています。
さらに、犬や猫のように体毛で覆われていない人間の肌は、光や風を繊細に感じ取ることができます。
皮膚が薄く、汗腺を持つことで、湿度や遠赤外線の熱まで感じ取れるのです。

風力計では測れないほどの微妙な風や空気の質の違いを感じることができます。人間が味覚と触覚に優れていることを考えれば、住まいも肌で感じる心地よさを大切にしてもよいのではないでしょうかいいわば、「肌が合う家」です。
加えて、人間はことばという感覚器を使って、人との関係でも「肌が合う」人を見抜いています。

おうちのはなしNo.318 Helth&Sanabilyより