生物と無機物の違いは何か?と問えばさまざまな答えがあります
たとえば皮膚があることもひとつ、
どんな大きさの生物であっても自分と他者を区別する境がなくては個体としての生物となりえません。
そして皮一枚に生存のための重要な機能を盛り込んでいます。

人間は体毛を少なくし、皮膚に色をつけて紫外線から身を守ります。
そしてために汗をかくのも、人間と馬にしかないのです。
植物も同じで、葉は光に晒されますが樹皮は紫外線や乾燥、さらには雨風、時には山火事にも対応するために進化してきました。
じつは樹皮も人の肌も成分は違いますがまったく同じアイデアで、死んだ細胞が次から次へと表に出てくるごとで表皮を形成しています。
そして、その肌合いをみると、その木が何の木であるかわかるほど個性があります。
その皮のパターンは、厚いほど亀甲状に割れ、成長が早いほど縦の筋ができます。
たとえば身近な樹木であれは、細かく割れるクヌギより、マツは成長が遅く樹皮が厚い樹木であることが分かります。
そしてスギやヒノキの樹皮をみれば、まっすぐ上にすくすく伸びてゆく樹皮の形状となります。
この樹皮が内側の身を守るのに優秀な材であることが分かれば、建材として活用しない手はありません。
日本古来の積皮養(ひわだぶき)は、
腐りにくく水を縦に誘導してくれる屋根材として最適の機能を持っています。
それは茅茶にしても同じです。先達の慧眼に驚かされるばかりです。
さて、表面皮ふ層の厚さは、じつは人間にもてはまります。
歳をとると肌の各層の数が増え保湿分も届かなくなり乾燥して固くなります。
固くなり厚くなると、マツの木のように大きな干割れが出やすくなるのです。
歳とともにしわが増えるのはこのためです。
おうちのはなしNo.303 Helth&Sanabilyより
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