天然無垢材のメリット
■「天然無垢材」とは
山や森で育った原木(丸太)から、使用する大きさに挽き割った材料のこと。
古来より日本の建築文化に深く根付き、
現存する歴史的な寺社仏閣もみな天然無垢材による木造建築です。
日本最古の木造建築物「法隆寺五重塔」など約1400 年以上も立ち続けています。
■ 夏は涼しく、冬は暖かく
木の断熱性はコンクリートの約12 倍と言われるほどで、
周囲の温度に影響されにくいのが特徴です。
夏、木に触れてもベタつくことなく、とてもさわやか。
冬は、ほんのりとした温もりを感じることができます。
木の住まいではエアコンに頼る度合いが低くなるので、
からだへの負担が軽減されるとともに、省エネにも役立ちます。
■ 湿度を調節する
天然の木は、伐採された後も呼吸を続けています。
湿気がおおくなれば水分を吸収し、
乾燥すると内部の水分を水蒸気として空気中に放散する、
いわば天然のエアコンです。
奈良の正倉院は太い木材を横にして重ねていく校倉造り。
1300 年近くの時を経た今でも、中の宝物を大切に守り続けているのは、
木のもつ優れた調湿作用によるものです。
■ ダニ、カビ、細菌類に強い
木の精油には、ダニ、カビ、細菌類の増殖を抑える効果があります。
たとえば、ヒバや檜の精油成分であるヒノキチオールは100~1000ppm の濃度で
カビ類、ブドウ球菌、大腸菌といった細菌類の増殖を抑制。
ヒバ、檜、ベイヒバ、ベイスギ、赤松などは
アレルギーや喘息の原因となるダニの増殖も抑えます。
木のもつ調湿作用によって結露やカビも防止でき、空気をきれいに、
快適に保つことが出来るのです。
■ ストレスを和らげる
森林浴をすると、リラックスして心地よくなるのは、
樹木が発する芳香成分(フィトンチッド)の働きによるものです。
フィトンチッドには、人間の自律神経を安定させる作用があると言われています。
この作用は樹木が伐採され、木材となっても失われないもの。
木造の住まいなら、中にいるだけで森林浴効果が得られるのです。
■ 地震に強い
“くるい” なく建てられた木造建築の耐震性は
鉄骨造やコンクリート造を圧倒的に上回っています。
伐採後に充分に乾燥させた木は、呼吸しながらもさらに乾燥が進み、
固化して、いっそう強度を増していくのです。
樹齢年数が高いほど強度も高くなると言われています。
■ 建材として無垢材を使うときに気をつけたいポイント
天然無垢材を建材として使うためには
気をつけなければいけないポイントがあります。
それは、乾燥です。木は乾燥によって収縮、変形するもの。
良質な木でできた無垢材でも乾燥が不十分であれば、反り返り、ねじれ、
割れなどを起こし、建築後におおきなトラブルを招くことになります。
木の命を生かすのも、殺すのも乾燥次第なのです。
充分に乾燥させた無垢材を用いれば、収縮・変形が生じることはありません。
時間の経過とともに固化し、強度がますます高まっていきます。
また、腐朽菌やシロアリの心配もありません。