日本の木の効用

古来より日本人の生活に深く根ざし、その活用の仕方も多岐にわたっています。
まず、建築材としての利用は広く知られており、社寺仏閣から一般住宅に至るまで、これらの木材はその優れた耐久性や美しささらには香りの効用をもたらしてきました。

湿気に強く、防虫効果が高いため、長持ちする建材として重宝されています。
また、スギやヒノキの放散する香り成分にはリラックス効果があり、これらの木材をふんだんに使った家は、自然と安眠を促す環境を生み出すことができます。

曲げわっぱや経木(きょうぎ)としての活用もまた興味深いです。
経木は、スギやアカマツなどの木材を薄く削ったもので、食品を包む際に使われます。

木材自体が持つ抗菌作用や調湿作用を活かし、食品の鮮度を保つための知恵が込められています。
たとえば、余分な湿気を吸収することで食材の傷みを抑えたり、木の持つ自然な防腐効果によって保存性を高めたりするなど、日本人は木材の性質を熟知した上で経木を利用してきました。さらに、スギの活用法の一つに線香があります。
中には一般的なタブの樹皮粉末などのつなぎ材を使わずに、純粋にスギの葉だけでつくられている線香もあります。

とされ、また、香り成分には心を落ち着かせる作用があります。
この特性を活かし、スギの線香は仏前だけでなく日常のリラックスアイテムとしても活用されています。
このように、日本人はスギやヒノキという身近な木材を単なる建材としてだけでなく、その香りや効能にまで目を向けさまざまな形で生活に取り入れてきました。

おうちのはなしNo.317 Helth&Sanabilyより