人工林のサスティナビリティ

さまざまな種類の木々が生い茂っています。
日本のあちこちにも、そうした原生林が残されていて、私たちは昔から変わらない自然の風景として見てきました。
中には、何百年、あるいは千年以上生きているような、森の主のような木もあるかもしれません。

じつは森にある木の多くは、それほど古く見えません。
10年ちょっとしか経っていない若い木が集まって森をつくっていることもよくあります。
原生林では倒木更新といって、古くなったり倒れたりした木のあとに、新しい木が芽生え、育っていきます。
こうして、森は常に少しずつ姿を変えているのです。

同じような種類で、同じくらいの年齢の木がまっすぐに並んでいることがあり、まるで人工林のように見えることもあります。
これはちょっと不思議な光景です。
では、もし日本の森がすべて原生林だったら、木の量はもっと増えているのでしょうか?
砂漠や湿地、高い山などが森になれば増えるかもしれませんが、実際には日本の山々はすでに多くの木で覆われています。
それでも、今の日本では、1年に約1億㎡もの木材が増えています。

図1を見ていただいても、天然林の量はあまり変わっていませんが、人工林だけが大きく増えています。
これは、最近は自然の森をあまり伐探していないという良い面もありますし、逆に戦争中はそれだけ木材を大量に使っていたということでもあります。

図1 人工林、天然林別の森林蓄積の状況

自然のような倒木更新はありませんが、将来的には人の手を通じて、自然のサイクルに近づけることもできるでしょう。
人新生と呼ばれて、すでに人間の活動が地質にも刻まれる世になっています。
持続可能な森を守っていくためには、木をただ守るだけでなく、うまく使っていくことも大切なのです。

おうちのはなしNo.324 Helth&Sanabilyより